高齢者の「性」、介護現場でどう向き合う

日本老年行動科学会常任理事の荒木乳根子・田園調布学園大教授は9月12日、同学会の第12回大会で「高齢者の性と介護をめぐって」と題して講演した。介護現場における高齢者の性的行動の問題はあまり表舞台に出てこないが、「こうした問題を減らし、介護従事者の人権を守っていくことが大切」と述べた。一方で、高齢者の性的行動の背景には、孤独感など心理的要因がある場合が多いとし、行動の意味を理解した上で対応することが重要との見方を示した。

荒木教授は、高齢者であっても性的な関心を持つのは自然なことだと前置きした上で、介護現場における高齢者の性的行動をめぐる問題として、▽介護者への性的行動▽利用者間の恋愛▽ほかの利用者への一方的な性的行動-などを挙げた。特に訪問介護の場における、男性利用者から女性の訪問介護員への性的行動について、「家庭という場で、1対1で接するので、心理的負担や動揺が多い」と述べた。


その上で荒木教授は、07-08年に川崎市と横浜市の訪問介護事業所に勤務する訪問介護員に対して行った調査の結果を紹介。これによると、回答した435人のうち18.6%が、現在担当している男性利用者からの性的働き掛けが「ある」とした=グラフ1=。さらに、過去に性的働き掛けを受けた経験について自由記述で聞いたところ、45.7%から経験談が寄せられた。ただ、調査は事業所経由で行ったため、こうした経験がある訪問介護員に調査票が渡った可能性はあるという。

具体的な内容では、卑猥な内容の話をしたり体について品評したりするなど「言葉によるもの」が多いが、中には抱きつかれたり、胸やお尻を触られたりといった経験をしている人も2割ほどいると指摘=グラフ2=。また、こうした性的な働き掛けを冗談として受け止め、「割と明るく」対応している人が多いが、嫌悪や怒りの感情を抱く人、恐怖を感じる人も2-3割いるとし、「こうした問題を減らし、介護従事者の人権を守っていくことが大切」と述べた。

一方、介護従事者への性的行動をすべてセクハラとみなすのは、「少し違うと思う」とも指摘。自分を認めてほしいなど人の温もりを求める気持ちや、背景にある不安や孤独感、疎外感が影響している場合も多いとし、「性的行動は拒否しても、行動の意味をどう理解するかという視点が大切」と述べた。
また事業所では、訪問介護員に高齢者の性についての教育をすることや、組織的なサポート体制を整えることが必要だと指摘。「こうしたサポート体制があってはじめて、訪問介護員が利用者の(性的行動の背景にある)心理的欲求に目を向ける余裕が生まれる」と述べた。(キャリアブレイン) エキサイトニュース

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